もう4月がやってきますね。

入笠も雪解けが進み、地鳴きをしていた野鳥たちも高い枝で高らかに囀始めています。
今年のグリーンシーズンに向けて地元役員達もソワソワしてきました。
今年の活動も、基本的には今まで通り楽しく地味に?コツコツと外来種除去やゴミの回収、湿原の整備などを続ける事が一番大事だと考えています。

おかげで近年は見かけなかった花も多く復活してきています。いつか「もう安心!」となれば訪れる人たちにも案内したいですね。
何年か連続して来てくださる会員さんはご存じだと思いますが、湿原の植生も育つ場所が移動したり 増えたり減ったりと毎年表情がコロコロ変わります。

今年はどんな色のどんな顔を見せてくれるかを楽しみに活動をご一緒しましょうね。
それと昨年度は会員の皆様の保全協力(延べ作業時間)が過去最大となり、地元自治体の理解や学校の生徒達、パノラマリゾートさんの協力もある中で登山道の整備も手掛けています。
コロナ過の終焉により入笠を訪れる方も急速に増えている中、過去に当協会の初期メンバー達が切り開いた山頂への迂回路も長年の使用と近年多く訪れる悪天候により荒れ始め、怪我をされる方が増えており また多くの登山者により迂回路の迂回路を作りだし 山を広く荒らす結果となっています。

私たちは「人が来るほどに美しくなる」山を目指し、訪れる人たちに楽しく少しでも安全な環境を提供することで結果的に木道や登山道以外に立ち入らず、周辺の木々や山野草、キノコなどが豊かに育つよう願い今年も登山道整備活動を進めていく予定です。
入笠ボランティア協会における登山道整備の基本は近自然工法(自然に近づける・自然に近い工法を使う)とし、出来るだけ資材もそこにあるものを利用する方法で これは入笠の環境をよく知るベテラン会員さんや登山が大好きな会員さん、他にも自然環境に特化した活動をされている会員さんが多数在籍する強みを生かしています。

そこでは決して町の公園にあるような、工事業者による真っ直ぐな ただ歩きやすい階段を作ることが登山道整備ではなく、時間をかけて雨や人の足で岩や土が固められ植物の根が張って出来る、表情のある楽しい登山ルートになることを目指しています。
これも湿原の保全と同様、「完成」の日が来る作業ではないですが・・・ゆっくり進めていきましょう。

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ところで最近、北アルプスでも来年度から富山県側からは入山料徴収とのニュースがありましたが、これも近年の天候悪化と登山者の増加による登山道の荒廃にかかる整備が主な理由ですね。
昨年春は超党派の国会議員でつくる「山の日」議員連盟が総会で 『登山道や山小屋の維持などを進める基本法を議員立法で成立させることを目指す』としていましたが 議連会長や幹事長・事務局長など主なメンバーが10月の選挙で軒並み落選したので活動が停滞し、まだまだ国に頼るのは遠い先になりそうです。
まずは山や山野草、鳥や野生動物を愛し入笠ボランティア協会で出会った私たちが今年も入笠山と湿原の自然を守り育んでいきましょうね。